製紙原料

paper material

紙は主に大きく分けて【古紙】と【パルプ】と呼ばれる製紙原料から作られています。古紙は家庭から排出される回収古紙と、スーパーや商店・工場などの事業所から排出され、回収される産業古紙(準産業古紙)に分かれます。回収された古紙は最終的に、ベール状に圧縮梱包され、国内及び海外の製紙メーカーに送られ、再生紙の原料となります。

山發日本株式会社は台湾の製紙企業を親会社とする、紙パルプ専門商社です。 古紙の資源化が加速する中で、世界中から古紙を調達しリサイクルを促進しています。また、自社グループの製紙工場で貴重な再生資源として利用しているため、安定的に購入できる強みもあります。

古紙の種類について

古紙に関する規定や品質規格は公益財団法人古紙再生促進センターの制定する古紙標準品質規格によって制定され、混入してはいけない禁忌品や荷姿などが決まっています。 また米国では米国再生資源協会によって古紙品質規格(PS-2020)が、欧州では欧州標準化委員会によって標準品目分類表(EN643)が定められており、それぞれの地域で独自の規定と基準が設けられています。

ここでは古紙業界でよく使われる代表的な古紙を簡単にご紹介いたします。

【OCC 段ボール古紙】
Old Corrugated Carton

スーパーや一般市中回収によって回収された使用済みダンボール。禁忌品A類0.3%未満、規格外古紙3%未満に選別し、段ボール原紙製造用原料として使用する。E段、ラミネート付きや臭いのある段ボール古紙は禁忌として扱われます。

【 ONP 新聞古紙 】
Old News Paper

家庭、企業および官公庁所からら出た新聞およびチラシ。禁忌品0.3%未満、規格外古紙1%未満。新聞用紙の原料、あるいは白板の裏層に使用する。一部建材やモウルドなど特種用途のニーズもある。

【 MIX / OMG 雑紙古紙 残本 】
Mixed Paper Old Magazine

塗工紙を使用したチラシ、雑誌カタログ及び同様の印刷物。非塗工紙や中質紙等も含んでよいが、OMGの場合段ボールやクラフト紙など茶色い紙は混入不可。禁忌品1%未満、規格外古紙3%未満。家庭紙原料(トイレット等)段ボール原紙の中層や新聞原紙生産に一部混ぜる場合もある。

【 シュレッダー 】
Office Shredder

事務所、官公庁から発生するシュレッダー古紙。ビニール袋ごとプレスしたものと、袋を除去したもので価値が異なる。抄き色や感熱紙、カーボン紙、機密破砕の混入は不可。主に家庭紙原料やザラ紙原料として使用する。

【牛乳パック古紙】
Milk carton

一般のリッターパックと煉瓦状の学乳(主に学校給食)に分類される。家庭及び学校に於いて切り開き洗浄、乾燥させたもの。学乳はラミ下に印刷がされており脱墨が難しく一般の牛乳パックよりリサイクルしづらい。

【紙管古紙】
Fiber Cores

原紙の芯として使用されたものでライナーあるいいは紙管原紙を複層に巻き重ねたもの。古紙用途は破砕あるいは口金を外しそのままプレスする。再生管原料としてプレスせず買取できる場合もある。
段ボールや紙管原紙用原料として使用する。

古紙の種類一覧表

古紙の種類
段ボール古紙 Old Corrugated Carton (OCC)
雑誌古紙 Magazines (OMG)
新聞古紙 Old News Paper (ONP)
新段古紙 New Double-Lined Kraft Corrugated Cutting (DLK)
上台古紙 Box Board Cuttings (BBC)
新聞残紙 Over Issue News Print (OINP)
オフィス古紙 Sorted Office Paper (SOP)
電話帳 Telephone Books
ガラス合紙 Glass Interleaving Paper
金属合紙 Steel Mill Kraft
牛乳パック Milk Carton
シュレッダー Office Shredder
紙管 Fiber Cores
上白 Hard White shavings / White Wood Free Shavings
切茶/無地茶 New Brown Kraft Envelope Cuttings
雑袋 Used Brawn Kraft Sacks
ティッシュ損紙 Virgin Tissue Stock
カップ Cup Stock
紙皿 Plate Stock
ビールケース Kraft Carry Bag (KCB)
模造 Sorted White Ledger
ケント/色上 Coated Book Stock
ノーカーボン紙 Carbonless Copy Paper
製本裁落 Wood free binders

パルプ

パルプとは、主に製紙に用いるために分離した植物繊維である。パルプの原料は、木材・非木材・古紙・合成繊維などがあります

【未漂白クラフトパルプ】
UKP Un bleached Kraft Pulp

漂白していないクラフトパルプ。製袋用クラフト紙や段ボール原紙など産業用紙原料として使用される。

【漂白クラフトパルプ】
BKP Bleached Kraft Pulp

漂白されたクラフトパルプ。 N材(針葉樹)を主原料としたNBKP(BSK)とL材(広葉樹)を主原料としたLBKP(BHK)に分類される。主に家庭紙(ティッシュ等)や白板・カップ原紙などの板紙や印刷用紙の原料として使用される。

TMP Thermo Mechanical Pulp 
サーモメカニカルパルプ

チップを予熱し繊維をほぐした後に、機械的に破砕して製造した機械パルプ。薬品を使用する化学パルプに比べコストが安く、歩留まりも高い。繊維長が長い為、強度も高いがリグニン(樹脂)が残る為、日光で茶けるなどの劣化が発生する。モウルドや新聞の原料として使用される。

GP Ground wood Pulp 
砕木パルプ

原木をグラインダーに押し付けて機械的に破砕して製造する下級パルプ。リグニンなど不純物を大量に含むため歩留まりは高いが繊維長は短く、白色度も低い。新聞紙、ざら紙の原料として使用される。

BCTMP Bleached CemiThermo Mechanical Pulp 
晒化学サーモメカニカルパルプ

半化学機械パルプ 機械式、化学薬品の両方を利用して製造されたパルプ。両方の特色を持つが、海外ではパルプモウルドやカップ原紙(液体容器包装原紙)原料として使用されている事も多い。

DIP Recycled pulp 
古紙パルプ

回収された古紙を溶解、異物を取り除き脱墨処理等を施して再パルプ化したもの。古紙が輸入禁止となった中国でのニーズが増加しており、東南アジアに於いて主に米国段ボール古紙を主原料として生産されたRecycled Pulpも増えている。